横須賀美術館の澁澤龍彦展へ行って来た

写真の通り、台風一過の見事な青空だった。また、このモダンな美術館がよく映える最高の天気だった。

辺鄙でやや陰気な浦賀駅及び造船所跡から、山あいを抜けた所でこの風景。作家なら格好よく書くんだろうな。地元人である自分すら完全に観光地気分。正直これ見ただけで今日は満足だあと思った。

肝心の澁澤展だけど…非常に良かった。実は行く前は、よくある作家の記念館のような、ゆかりの品々メインのこう言ってはなんだけど、ヘボい美術的な価値の欠片も無い展示会だと思っていた。所がどっこい、澁澤ゆかりの美術作品がメインで、展示数・内容ともに十分。瞬きしないせいで目は乾くし、展示数多いから足疲れるしで、もう完全に大満足。とても良い刺激を受けることが出来た。

横須賀市民としては、この美術館の建造費や、年毎に見積もられた赤字の額など色々思う所はある(て言うか自分は完全に反対派だった(こことか参照)。けどまあ出来てしまった物は仕方ないので、以降、イベントはマメにチェックしようと思う。高い税金払ってる以上、最大限に利用させてもらおう。

話を戻して、美術館。写真の建物のツラの部分ににテーブルのような物が見えると思う。このスペースは、レストランぽくなっていて、バケツの氷につっと刺さったワインやら、うまそげな飲料食料を食らう人々がたむろしていた。天気のせいもあり、昼時はかなり混雑していた。恐らく、食事メインの客も多いのではないかと思う。コレも中々良いスペースだと思う。ただし値段は未チェック。

自分は人間が少ない空間が一番なので、この辺を尻目に、海辺の釣道具屋でお菓子とビール買い、海辺のボードウォークのベンチで軽い食事。その後、チケット上で後半扱いになっていた、美術館の定番所蔵品のコースへ再入場。正直、澁澤関連の品々よりは劣る印象だったけど、これはこれで中々面白かった。

お約束の入り口付近のみやげ物売店で以下の画像の品を。

ポストカードやブックマークはまあテキトーに買ったとして、この『澁澤龍彦幻想美術館』。たったの2571円(+税)なんだけど、これがまあ見事。この厚みで、澁澤ゆかりの美術作品がずらりと美術の教科書の如く掲載されまくり(紙が良いので分厚いけど、250ページ程で、180ページまでがカラーの作品ページ。残りは作家名鑑や、作品の目録など)。またこの著者の「巖谷 國士」ってのも中々イカしたガイで、澁澤語りにありがちな痛さもなく、押し付けがましい後半白黒ページの文章ってのも無く(自分語りの評論とかクズみたいな対談とか)、純粋に作品を楽しめる作りになっている。名著なんじゃないだろうか。

と、いう訳で、命の洗濯をしてきましたと言う話。そのスジの人なら行って損は無いと思う。

# ただし勿論、ホントにこのスジ専門の人であれば、アレがあるのにコレが無いだの、有名な作ばかりだとか、今振り返ってみれば澁澤も遠くになりにけりとか言い出すかも知れんけど知らん。

ていうか一緒にいけんで悪かったな>DM氏